ベーからの手紙      

No.154  2011年12月31日

 元気ですか?
 とうとう、雪の季節になりましたね。
 あゆちゃんとひろちゃんが小さかった頃は、
 雪が降ると歓声を上げ、小さなそりを持って
 外に飛び出したものでした。
 2人そろって家を離れてしまった今は、
 とても静かな冬です。


さて、バナ子が前足を引きずるようになって関節症と診断を受けたのが
11月の半ば頃。まずはよかったとほっとしたのもつかの間、薬を飲み
続けてもバナ子は回復するどころか、逆にどんどん元気がなくなって
いきました。
おかしい。 どうもおかしい。
・・・血、出血です。 発情期でもないのに、バナ子の体から血がじわじわと
出てきています。

店が終わってから大急ぎで病院へ。
先に来て待っている患者の犬や猫がまだたくさんいるのに、バナ子は
すぐに診察室へ呼ばれました。
レントゲン、エコー、心電図、血液検査と、忙しく部屋を移動して検査から
検査へ。4本足全部とお腹の毛を電動バリカンで剃り上げられました。
バナ子は、されるがままでぐったりしています。

僕の時からずっとお世話になってる院長先生から説明を受けました。
 「明らかに子宮蓄膿症、子宮が膿を持っている状態です。
  関節の痛みも子宮からの毒素が回ったんですね。
  これが心臓へ回れば心不全、腎臓へ行けば腎不全、内臓も
  だいぶダメージを受けています。
  膿が体内で破裂したら助からないと思って下さい。
  手術をしても100%大丈夫とは言えませんが、手術をしなければ
  助からない確率は100%です。」
そして、点滴。
これは多分、体調を保つための栄養の点滴で、日を改めて開腹手術を
するんだろうな。

夜8時。
 「では、始めましょう。」
え? え〜っと、たしかにバナ子は手術台の上で点滴を受けてるけど、
始めるというのは、もしかすると手術、なんですか?
この点滴は麻酔、ということですか?
 「そうです。今すぐやらないと間に合いません。」

バナ子にはちょっと小さめの手術台から体がはみ出しそう。
しっぽが、だらりと垂れ下がっています。
 「バナ、がんばって!」 「じゃあな、バナ子。がんばれ!」
麻酔が効き始めたバナ子は、パパとママの声にゆらゆらとしっぽを
振って答えました。

無事に手術が終わり、麻酔から目が覚めたと病院から電話があったのは
夜10時過ぎでした。
それから1週間の入院。パパとママは、店が終わってから毎日
面会に行きました。
愛想のいいバナ子は病院の職員さんみんなにかわいがってもらい、
すっかり安心した様子で居心地がよさそうでした。

 「1ヶ月はおとなしくしていて下さい。
  これからは太りやすくなるから、くれぐれも気をつけて。」
退院するバナ子へ、甘いものが好きでちょっと太めの院長先生から
念を押してのアドバイス。
はい、気をつけます。

3月の大きな地震、4月にひろちゃんは東京へ引越し、10月から
あゆちゃんはイタリアの大学へ、11月にバナ子の手術・・・。
今年はいろんなことがあって忙しい1年、あっという間に時間が過ぎました。
でも、バナ子の手術は成功、食欲は以前よりも旺盛でとても元気に
なりました。(だから、太らないように気をつけなくちゃね。)
ヨハンも、僕も、ひと安心です。

新しい年は、どんな年になるんでしょうか。
それではみなさん、また来年お会いしましょう!
 

                           今年はここまで、またね。 
                                 Beethoven

西公園、1年間お世話になりました

元旦にここへお参りに来る予定です

やっとひろに会えてうれしさいっぱいのバナ子

ナポリ近郊のサルレノの街 あゆは右端
No.153 No.155