ベーからの手紙      

No 117.JUL.2. 2005.



元気ですか?
雨がザーザー降ったかと思うと、次の日にはお日様が
ギラギラ照りつけたり、落ち着かない毎日です。
でも、どんな天気でも、ヨハンはのんびりマイペース。
散歩して、水を飲んで、昼寝して、食事をする。
どんな日でも、ゆったりと過ごしています。

 イタリアからやって来たマーキュリー君が、6月14日、父親になりました。
赤ちゃんを生んだお母さんは、これが初めての出産。
1日がかりの大仕事で、きっとクタクタに疲れただろうなぁ。
マーキュリー君の家族もね。
出産にずっと付き添って、生まれてきた子犬の体をきれいにふいて、
おしっことウンチの世話、お母さんのおっぱいが足りない時は哺乳ビンで
ミルクを飲ませたり・・・。
母さん犬が子育てに慣れていないと、人間がたくさんお手伝いをしてくれます。
 僕の母さんが最初に赤ちゃんを生んだ時、お腹にいた子犬は1頭だけ。
しかもその子は、可哀想に、息をしていない状態で外の世界へ
出てきたんですって。
次の出産で生まれたのが、僕達兄弟でした。
訓練士さん達が、つきっきりで僕達の面倒をみてくれたそうです。
だって母さんは、ちっとも赤ん坊の世話をしなかったらしいから・・。

 マーキュリー君の繁殖者、イタリアのヴィットリオさんは、遠い日本での
2世誕生の第一報に大喜び。
 「すごいぞ! 子犬の写真を見るのを待ち切れないよ。」
はいはい、おチビちゃんの写真をすぐに送りましょう。
パパは、生後3ヶ月までマーキュリー君を育ててくれたマルコさん一家にも、
ニュースを知らせてくれるよう頼みました。
 「(子犬は)いい状態のようだね。マルコには、もう知らせてあるよ。」
マルコさんと奥さんのエマヌエラさん、子犬の面倒をみるために、
日本に飛んできたくてウズウズしてるだろうね。

 さて、マーキュリー君の家から、我が家にこんなメールが届きました。
 「メスの子犬は、いかがでしょうか?」
え? つまり、ヨハンのお嫁さんに、ってこと?
パパとママは、いろいろと話し合いました。
話の途中で、ひろちゃんがすかさずバンザイ!をしました。
 「子犬がうちに来るの?!」
 「最後までちゃんと聞いて。 うちは、今はヨハンだけで手一杯。
  子犬の脚のために1日に何度も運動をするのだって、
  店にいて、仕事をしながらでは無理でしょ。」
 「・・・ヨハンのバカ! おまえと子犬を交換してもらうから。」
気の毒なヨハンは、次の日の朝まで、ひろちゃんからとばっちりを受けました。
そりゃあ、パパとママだって、可愛い子犬を呼び寄せたいのは、きっと同じさ。
・・・そうだ、もしかしたら。

 ママは、店から車で5分くらいの所に住んでいるHさん(「べーからの手紙」の
No.113でご紹介している方。仙台セント・バーナード・クラブの会長さん
でした。)に電話をかけてみました。
自分の年齢と体力では、セント・バーナードを育てるのはもう無理だからと、
今はレトリバーと暮らしているHさん。
子犬の話を聞くと、声の調子が変わったみたいです。
 「ほぉ? 親は、どんな犬ですかね?」
目がキラリと光った様子が伝わってきます。
 「父犬がイタリアで、母犬はアメリカ系ね。 ふうむ。」

その晩、Hさんは、家族にこう切り出したそうです。
 「人生最後に、なんとしても、もう1度バーナードを飼いたい。」
しかし、家族みんなの反応は、「今さら、無理だってば!」
 「誰一人、賛成してくれんのですよ。」
受話器の向こうから、Hさんの残念そうな声が聞こえてきました。

つまり、可愛いセント・バーナードの子犬が飛行機に乗って仙台へ来る
可能性は、これでなくなったわけです。
マーキュリー君の赤ちゃんは、これから日本でどんな成長をして、
どんな暮らしをするんでしょうね。

                                 今日はここまで、またね。
                          
                                        Beethoven



生後およそ2週間

大型犬も、初めはこんなに小さい

最初の出産の子犬にはAで始まる
名前がつけられます。(血統書名)
この子の名前はAurora(オーロラ)の予定

僕のお嫁さんやーい!
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