ベーからの手紙      

No.105.JUN .15. 2004.


 

元気ですか?
 仙台では、夏のように暑い日が続いています。
 ヨハンは、この季節の恒例行事、全身サマーカットも無事に
 済んで、スヤスヤと気持ち良さそうに眠っています。


1年前の今頃、パパとイタリアのグイドさん(イタリアのセント・バーナード・クラブの
クラブマガジン編集長)は、しょっちゅうメールのやり取りをしていました。
イタリアから、徳島に住むYさんの元へやって来ることになったマーキュリー君。
母犬と父犬の足腰のレントゲン検査、狂犬病の予防注射やワクチンの接種、
血統書の発行、銀行への手続き・・・、確かめておかなくちゃいけないことは
たくさんありました。

あれから1年が経って、イタリアとのメールの数もだんだん減ってきました。
つい先日は、こんな挨拶をかわしていました。
 「 おーい、どうしてる? 元気かい?
                     イタリアの友より  」
 「 うん、こっちは、みんな変わりないよ。
   マチルダちゃん(マーキュリー君と一緒に生まれた、グイドさんの愛犬)は
   元気かい?           日本の友より  」

その3日後、パパは、グイドさんとヴィットリオさん(マーキュリー君の繁殖者)の2人に、
ちょっと長めのメールを送りました。
 「マーキュリー君の家族、Yさんご夫妻が、今年の9月に用があって
  イギリスへ行くことになった。そして、イタリアに立ち寄る予定だよ。
  都合はどう? 会えるかな?  それからYさんは、旅行中に
  サン・ベルナール峠(セント・バーナード発祥の地)の訪問も希望してる。」

Yさんのヨーロッパ訪問が決まった頃、パパは、6月にサン・ベルナール峠へ
行くことをすすめました。
6月30日は、「バーリー・ディ」。
スイス・イタリア・フランスから、セント・バーナードがアルプスに大集合。
みんなお揃いのTシャツを着て、かつてセント・バーナード達が僧院から雪山の
人名救助に向かった山道を歩きます。
バーリーは、大勢の人間の命を救ったことで有名な、伝説の救助犬。
今も、ベルン市の博物館に彼のはく製が展示されています。
(ただ、頭は別の犬のものだってことだけどね。)
 「行かなければならないのは9月。 残念ながら無理です。」
Yさんは、バーリー・ディへの参加はあきらめていました。
でも今年の6月は、このイベントのニュースがありませんでした。
どうしたんだろう。 今年は、中止かな?

グイドさんからの返事です。
 「Yさん夫婦に会える! そりゃあ、すごいよ。
  私は週末しか時間が取れないけど、平日は、仕事が終わった夜ならOKだ。
  一緒に夕食はどうだろう? モッラ・ファミリー(マーキュリー君を生後3ヶ月まで
  育ててくれたマルコさん一家)も来るよ。
  彼らは、私の家から70キロ離れた所に住んでるけどね。
  
  ところで、大事な話がある。
  私は、9月10日にサン・ベルナール峠へ行かなくちゃならない。
  9月11日と12日、” 第1回 バーリー・カップ ”を、スイスのクラブと共催で
  開くんだ。スイス・イタリア・フランスのセント・バーナードがサン・ベルナール峠に
  集まっての、記念すべき最初のドッグ・ショーさ。
  申し込みは今のところ80頭、これから、もっと増えるはずだよ。
  Yさん夫婦にとって、またとない機会だと思うんだけどね。
  もちろん、マチルダは私と一緒に峠へ行くよ。
  スケジュール表を送るから、見てくれ。      」

       『   第1回 バーリー・カップ
         
        11日  11:00 am 〜 4:00 pm  ショーの審査
              4:30 pm 〜 サン・ベルナール僧院で礼拝
              8:00 pm 〜 ディナー
        
        12日  9:30 am 〜  愛犬と共に登山開始
             11:30 am 〜  僧院に到着
                         バーリー・カップの表彰式      』

つまり!! 今年は、バーリー・カップのコンテストと併せて、
バーリー・ディのイベントも9月に開かれるんです!
これは、マーキュリー君が日本の家族、Yさんのためにイタリアから幸運を
運んできたとしか思えませんよね。

そして、ヴィットリオさんからの返事です。
 「ドイツから、私の犬を見にお客さんが来てたんだ。
  (マーキュリー君の父犬、クリフ君にはドイツの血が入っています。)
  クリフはイタリアン・チャンピオンになったし、アリアンナ(マーキュリー君の母犬)は
  さらにインターナショナル・チャンピオンを目指しているところだよ。 
  アリアンナに会っていってくれ。 うちで待ってるよ。
  Yさん、バーリー・カップには来るんだろ?」

それなのに・・・、困った問題が1つあります。
バーリー・カップは、9月11日と12日。
Yさんご夫妻は、予定では12日に日本へ戻ってこなくちゃならないんです。
今、休暇の延長をお願いしているそうです。

 「もしYさんが参加してくれたら、素晴らしいゲストになるよ。
  いい知らせを待ってる。」

こういう時は、問題が山積みだった1年前のマーキュリー君の来日の時と
同じように、イタリアの流儀でいきましょう。
 「大丈夫! 最後には、きっとうまくいくさ。」 

                                  今日はここまで、またね。
                          
                                                 Beethoven
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