ベーからの手紙      

No.109.SEP .21. 2004.


 
元気ですか?
 イタリアから日本へ、1年前の夏にやって来たセント・バーナードの
 マーキュリー君。
 日本での家族となったYさんファミリーのヨーロッパ訪問旅行は、
 たくさんの思い出を作って、無事に、楽しく終了しました。


 『 9月7日  フェッラーラ 』
3年前、僕達がイタリアのセント・バーナード・クラブとお付き合いをするきっかけを
作ってくれたのは、フェッラーラに住むグイドさんです。
「クラブマガジンの記事に協力してくれないか?」という1通のメールが始まりでした。
マーキュリー君の来日の時も、グイドさんが連絡役を買って出てくれました。
「7日の夜、みんなで私の家に集まって、ディナーを楽しもう。」
フェッラーラは、市の中心部が古い城壁に囲まれている、歴史のある街です。
その街のグイドさんのお宅で、マーキュリー君の来日に関わったイタリアの人々と、
日本のYさんファミリーが会う約束をしました。

約束の時間は、夕方6時。
とても広い土地、芝生の庭・・・遠い日本から訪ねて来たマーキュリー君の家族は、
門から素敵な家をのぞきました。
ちょうどそこへ、車が1台入ってきました。
セント・バーナードが後ろに乗っています。
マーキュリー君とそっくりの顔・・・、母犬のアリアンナです!
車から下りてきたのは、アリアンナの出産から、マーキュリー君が日本行きの
航空機に乗り込むまで面倒をみてくれたマルコさん夫妻。
「Yという男がマーキュリーにふさわしいかどうか、俺が調べる。」と腕まくりをしていた
マルコさんとの対面です。
外の騒ぎを聞きつけて、グイドさんの奥さん、シモネッタさんが家の中から出てきました。
おや、あそこにいるセント・バーナードは・・、グイドさんの愛犬、マーキュリー君と
一緒に生まれたマチルダちゃんだね。
仕事を終えたグイドさんも帰ってきました。
マルコさんのいとこのヴィットリオさん(マーキュリー君の繁殖者)も駆けつけました。
人間って、すごいや! 捨てたもんじゃないね。
グイドさんが日本中のたくさんのセント・バーナードのホームページを探して
メールを送り、日本から届いた、たった1通の返事。
そのメールのやり取りが、3年後には、初めて顔を合わせる外国人同士の
熱い抱擁になるなんて。

さて、グイドさんの家の中へ入りましょうか。
セント・バーナードの写真がいっぱい張ってあるこの部屋は・・・地下室?!
う〜ん、日本の家とは、ずいぶん広さが違うんだねぇ。
あ、お年玉付きの年賀ハガキが張ってあるよ。
ヨハンと、うちの家族の写真入り年賀状だ。うれしいなぁ、壁に飾ってくれてるなんて。
そうそう、Yさんは、マーキュリー君の動画をCDに入れて持ってきてるんですよ。
イタリアのみなさん、見たいでしょう?
マーキュリー君の元気な姿を見て1番喜んだのは、マルコさんの奥さんのエマヌエラさん。
エマヌエラさんは、マーキュリー君の幼い頃からの思い出の写真を、アルバムに
大切にとってあります。
日本に到着して、阿波踊りのハッピを着た彼の写真もね。
きっと、たくさんの愛情を注いで育ててくれたに違いありません。

この日のディナーは、シモネッタさん手作りのパスタ料理。
デザートは、こってりとしたパンナ・コッタ。
この日の会話は、英語とイタリア語。
意外なことに、英語の読み書きが1番得意なグイドさんは、会話は苦手。
雑誌の編集長は文章が中心で、話をする機会はあまりないんですって。
反対に、英語で文章を書くのはあまり得意ではないヴィットリオさんが、会話は1番上手。
音楽院の先生をしているヴィットリオさんは、いろんな国からの生徒を教えるために
英会話が必要なんでしょうね。
彼の犬舎名(厩舎名と同じ意味合い)は ” In Si Minore (ロ短調で) ”、
自分のリサイタルでは、リスト作曲のソナタ・In Si Minore を必ず弾くんですって。

夜も更けて、Yさんファミリーが次の目的地へ出発してすぐに、
グイドさんからメールがきました。
 「Yさんが『ここに』いた!
  まぁ、言葉に多少の問題はあったけど、とにかく素晴らしい夜だったよ。
  私の息子、エドアルドは、Yさんの息子がすっかりお気に入りさ。
  彼が、好きな日本アニメのヒーローに見えちゃったらしい。
  Yさんファミリーは、実にいい人達だ。」

熱い興奮をフェッラーラの街に残して、Yさん達はベルガモ空港に向かいます。

                              
                             今日はここまで。 続きは、またあとでね。
                          
                                                 Beethoven

マルコさん&アリアンナ、Yさんの家族

マチルダはパンナ・コッタを狙う?


地下の書斎の壁はセント・バーナード一色

向かって左からヴィットリオさん、マルコさん夫妻、
グイドさんファミリー、手前がYさんファミリー
No.108 No.110